こんにちは、総務の藤井です。
前回に引き続き金融リテラシーについてお話しします。
日本では現在、金融を学ぶ場は自ら動かない限りありません。
株式投資や投資信託などの仕組みはもとより、なぜ預貯金には利息が付くのかといった基本的なことさえも勉強しないまま社会に出ていました。
私自身も新入社員の頃は生命保険について全く知識がなかったため、会社に出入りしていたいわゆる「保険のおばさん」に言われるがまま保険に加入し、結構な金額を支払っていたこともありました。
(その後友人が保険の仕事をするようになり、また自分自身も損害保険にかかわるようになったため保険の知識も身につき、高くて必要のなかった保険は解約して本当に自分に必要な保険に加入しました。)
このように日本では金融リテラシーとは本人が進んで学ぶものであって、積極的にその機会を作らないと知らないまま人生を終えることになっていました。
キャッシングや収支バランスの合わないローンで返済が出来なくなり自己破産する人、場合によっては自己破産の知識もなく八方ふさがりで自ら命を絶つなど、最悪の事態を迎える人も決して少なくはありませんでした。
そうした事態を憂慮し、ついに日本も金融教育をきちんと受けさせようと動きはじめました。
2022年の4月から、高校の家庭科で記入教育が必修となります。
なぜ家庭科なのか。
それは「経済」という概念的な内容ではなく、実際にお金を管理・運用する「家計管理」という実践的で具体的な内容になるからです。
まず家計管理の基本として、収支バランスやリスク管理などを学びます。
ここで例えば20万円の収入に対して25万円支出することが、家計的にどういった意味を持つのかが分かるようになります。
次に生涯を見越した経済計画として、教育資金や住宅取得、老後の備えといったライフステージに付随する費用、リスク(病気や事故、失業等)に対応できるような計画的な家計管理を学びます。
給与明細の見方もここで学ぶことになります。
さらには資産形成のための具体的な金融商品(預貯金、民間保険、株式や投資信託)の特性や活用法なども学ぶことになるそうです。
ちなみに文部科学省は、平成30年7月に発表した『高等学校学習指導要領解説 家庭編』で、高校家庭科での金融教育のねらいについて下記のように述べています。
『生活の基盤としての家計管理の重要性や家計と経済との関わりについて理解するとともに、収入と支出のバランスの重要性やリスク管理の必要性を踏まえた上で、将来にわたる不測の事態に備えた経済計画についても考察できるようにすることをねらいとしている。』
数年後には金融教育をしっかりと受けた若者たちが社会に出てきます。
私たち大人はそんな若者たちに笑われることのないよう、自力で、しっかりとした知識を身に着けていかなければならない時代になっています。