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シンガポール・レポート⑤
2018.11.09

こんにちは、総務の藤井です。

長らく続けてきたシンガポール研修のレポートも今回で最後となります。

お話ししたいことはまだまだあるのですが、そろそろ次の話題に移らないと顰蹙を買いそうです。

 

さて最後はシンガポールの福祉政策のお話です。

メディカルツーリズムの研修を受けた専担者から聞いた話はどれも非常に有意義でしたが、中でも最も印象深かったのが「シンガポールは福祉国家にはならない」と明言しているということです。

基本的にシンガポールでは自分の身は自分で守るという政策をとっています。

CPF(Central Provident Fund=中央積立基金)制度と呼ばれる強制的な積立制度があり、労働者は全員このCPFに口座を持っており、ここに積み立てた自分のお金を「住宅の購入や子供の教育資金」「老後の年金」「医療費」などに使用するそうです。

 

シンガポールが国として社会保障をどうするか考えた際に、スウェーデンやイギリスなどの福祉国家や日本の社会保障制度などを大変勉強したそうです。

国による手厚い保障はそれだけ高い福祉コストを発生させます。

国土が狭く天然資源に乏しいシンガポールでは、海外からの多くの投資や技術、人材などに頼らなければ経済発展は見込めず、そのためには所得税や法人税を低く抑えて、海外からの投資をしやすい環境にしなければならない。

社会福祉を手厚くしてしまうと大きな税収が必要となり、シンガポールの経済は破綻してしまうと考えたのだそうです。

つまりシンガポールは、国民の全員が自立精神をもち、健康や老後に関しても自分でしっかり考えなければいけない国なのです。

こう書くとシンガポールが国民に冷たい国のように感じてしまうかもしれませんが、最終的なセーフティーネットはきちんと用意されています。

そうしたあたりも先進国の実例を学び、後発であるが上の非常に効率的な制度であるのかもしれませんね。

 

確かに我が国でも増加する一方の社会保障費をまかなうために、国債を発行し、消費税を上げるなど多くの施策をおこなっています。

一度高福祉に舵を切ってしまった我が国でシンガポールのような制度に方向転換は容易ではありませんが、自立精神をもち、国の財政状況を知り、一人一人が福祉に掛かるコストを少しでも下げようとする姿勢は見習わなければいけないと思います。

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