こんにちは、総務の藤井です。
弊社ではここ数年、お正月に桜を飾っています。
『啓翁桜(ケイオウザクラ)』という寒緋桜(カンヒザクラ)の一種で、主な生産地と開花時期から『みちのくの初桜』とも呼ばれています。
年末に届く蕾の付いた啓翁桜の枝を自宅に持ち帰り、年末年始の休暇中に上手く咲かせて、年明けの会社の玄関を飾るのが私の新年初仕事でもあります。
本来なら3月から4月に咲くはずの桜をどうやってお正月に咲かせるのか。
通常、桜は秋になって気温が下がると休眠状態に入ります。
その後、冬に入り低温気を迎えると今度は休眠から覚醒し、気温が上がれば開花できるよう準備を始めるのだそうです。
そして気温が上がる春を迎えると花芽が付き、さらにある程度気温が上がると開花します。
よく初冬に桜が狂い咲きをしてしまうのは、この「一定期間気温が下がった後に暖かい日が続く」という状況を「冬が来て春が来た」と誤認してしまうからなのだそうです。
啓翁桜の場合、「気温8度以下の状態で500時間程度」の低温気があれば「冬が来た」と認識するのだとか。
主要な生産地である山形県は秋の訪れが早いため、啓翁桜も早めに休眠に入ります。
休眠状態の桜の枝を切り出し、温室に入れて春の状態を作り出し、花芽を十分に付けてから出荷すると、私たちの手元で花を咲かせることができるわけです。
さらにこの啓翁桜は花が咲きながら葉も開いてくるので、桜のみ→桜と葉桜のコラボ→葉桜のみと3パターンで楽しむことができます。
これからしばらくは玄関で訪問者を和ませてくれることでしょう。
昨年からどうしても暗い話題が多くなってしまいますが、桜を眺めるひと時が少しでも皆さまの癒しの時間になれば幸いです。
届いたばかりの状態
花芽がたくさんついています
暖かい日が続くと一気に咲きます