藤井経営の藤井武です。
ここのところ朝晩すっかり過ごしやすくなった。移動中の車中などから見る景色も、桜のピンク色から木々の若葉の新緑にかわってきており、季節の移り変わりの速さを感じる。
企業経営では、業務効率を高め生産性の向上をしなければならないことには、異論はないと思う。そのやり方が肝要になるわけだ。
経営相談でよくある事例だが、間接部門などを分社化し独自の営業活動を行わせ、本体での利益率の向上を達成し、グループ全体での収益ベースの拡大を期待する、などがある。組織全体の業務効率化と生産性の向上策だ。しかし、結果が伴わないケースが多いのも事実である。
分社化された間接部門には営業機能などがない場合が多く、本社頼みになってしまう。結果的に、分社組織では思うように売上が上がらず、経常的な赤字体質に陥り、再度本社へ吸収されることが少なくない。発想はよいのだが、経営方針やビジョン、具体的な競合先との商品力、社員教育も含めた具体的な法人運営指針がない。
このような例を見て改めて思うことは、表面的なことではなく物事の真意を理解したうえで具体的な行動につなげることや現場業務を含め、実務がどのように変化するのか見通した上で意思決定することの重要性だ。
言葉ではきれいにまとめられるが、実際に意思決定する経営者にかかる負荷は、半端ではない。