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日野原重明先生 ご逝去
2017.07.20
カテゴリ : 医業

藤井経営の藤井武です。

先日、7月18日に聖路加国際病院名誉院長である日野原重明先生がお亡くなり、105歳のご長寿を全うされました。

日野原先生は、成人病と言われていた脳卒中、心臓病などを習慣病と呼び、70年代から病気予防に関しての注意喚起をなさり、いまでは当たり前のように言われている生活習慣病対策の先駆けでいらっしゃいました。

日野原先生はまさに生涯現役で、100歳を超えて医師としてご活躍なされていたことは周知のことと思います。
著書も多数あり、エッセー集「生き方上手」が大ヒットしておりました。

先生は、80歳を超えてからは1日の摂取カロリーを1,300キロカロリーにするなど食事に関して非常に気を使われていたようです。
腹八分目を常とし、日常生活のリズムを崩さないことを心掛けておられたのではないかと思いました。
毎日一定のリズムを保つ、とても難しいことです。なかなか実践できることではありません。
日野原先生の人並み外れた強い意志を感じずにはおれないエピソードです。
1日の睡眠時間が短い(4時間半から5時間)ことを知ったときは驚きました。
ついつい休日などではいつもの生活リズムを崩して朝の起床時間が遅れたり、暴飲暴食をしている私ですが、100歳まで現役医師を続けられた日野原先生に比べて、今の私が置かれている状況が大変とは口がさけても言えません。

日野原先生のご逝去を知り、これまでの先生の人生の振り返りを拝見すると、日野原重明先生は偉大な医師であり、偉大な人生の先輩であったことをあらためて思い返し、今後の自分の生活習慣をしっかりと正していきたいと思っています。

診療・介護報酬改定について 在宅医療への移行
2017.07.13
カテゴリ : 医業

藤井経営の藤井武です。

ここのところ暑い日が続き、日本一暑い県として有名になった群馬県としては面目躍如中ですが、ずっと居住している身からすると、正直いい加減にして欲しくなります。気持ちが減退しないように頑張っている今日この頃です。

来年度に控えた診療・介護報酬ダブル改定に向けて、中央社会保険医療協議会を中心にして厚生労働省内において様々な議論が始まりました。
一般病床における7:1病棟での医療・看護必要度の基準変更や病床の稼働率の低下、地域医療構想の中の病床4機能をどのように定義するのか、介護報酬においては通所介護、訪問・通所リハビリの機能分化の方向性等へのさまざまな議論が起こっています。

いろいろな政策の中でも、次回改定では在宅医療へのシフトが診療報酬・介護報酬でも重点的に考慮される様です。
特に、看取りを含めた在宅における中重度者への対応に関する取り扱いに焦点があてられると思われます。

そのため、訪問看護や小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護に対する評価は、要注意です。

入院における評価も在宅復帰を中心にした、医療機関として地域の中でどのような役割を果たしているのか、明確な立ち位置を示していくことが、より必要になり、地域の中での在宅医療・介護への取組度合が、今後の診療報酬・介護報酬における評価の分化を加速度的に進めると思います。

病院であれば病院内中心や診療所であれば外来中心、という経営方針では新たな報酬改定においては取り残される可能性があり、入院も外来も地域の中での一つの機能、という視点から経営判断していくことが求められると思います。

自院が立地する医療圏の中で、どのような医療機能が必要とされているのか適切な判断が求められるので、地域の同業他院(他施設)の営業領域や医療機能をしっかりと把握したうえで、自院が提供したい医療機能ではなく、地域が必要としている医療機能を備えた選択される医療機関・介護施設でないと、経営的に大きなダメージを受けることになるでしょう。

医療費について 5 生活習慣への意識
2017.07.06
カテゴリ : 医業

藤井経営の藤井武です。

先日気になる記事を目にし、これまで毎回ブログで触れている増大する医療費の問題とも相俟って、自分自身の生活習慣、について今真摯に考えさせられています。

気になる記事とは、「飲酒」に関する新たな研究発表です。

6月1日付英医学誌BMJに、ほどほどの量の飲酒でも脳には有害な可能性がある、ということで、これまでは飲酒の良い効能として認識されることが多かった「適量」の飲酒の信ぴょう性が揺らいでいます。
平均年齢約43歳の男女500人余りを1985年から30年もかけて追跡し、定期的にMRIで脳の検査を行い、飲酒量との関係を調べたそうです。
日本のビール中瓶に換算して1日1本程度の飲酒量でも、記憶などをつかさどる脳の海馬が萎縮するリスクが、飲まない人より約3倍高い、そうである・・・。

「酒は百薬の長」ということを錦の御旗にし、それほど酒が強いほうではないが酒好きである私は毎晩晩酌をしており、時には飲みすぎてしまうことも多々あり・・・。
一説によると、海馬の萎縮は認知症の発端になるとも言われています。

医療費増大は、国家財政の逼迫の一因であることは明らかです。
認知症予防は、今後の医療費対策において、最も優先度が高いものです。
これまで私は、幸運にも大病することなく生活できており、自分の問題として医療費について向き合ったことがありませんでしたが、よく考えてみれば、色々な生活習慣病予備軍であることは間違いない、と思います。

昨年の健康診断以来、自分の健康状態から生活習慣を見直す必要性があると実感した私はスポーツジムに入会し、週に2回は通うことを心掛けているのですが、できたりできなかったりしています。
40歳を過ぎ、いつどのような病気に見舞われても不思議ではないと、頭の片隅では理解しているのですが、なかなか生活習慣を徹底的に見直すことができていなのが現状です。それに加えて、今後の晩酌についても検討しなければならないとは・・・。
現実は厳しいですね。

私が病気になるとこれまでどおりの生活はできなくなり、もちろん仕事にも影響が出ますので、家族と会社に多大な迷惑をかけることになります。
疾病の罹患を自分の問題としてしっかりとらえ、今後の生活習慣をどのようにしていくか、答えをだしていきたいと思っています。

医療費について 4 医療費抑制策
2017.06.29
カテゴリ : 医業

藤井経営の藤井武です。

これまで増え続ける医療費に対し、給付と負担、に着眼した話をしてきました。
新薬開発やあらたな医療技術の革新により、より便益の高い医療提供が受けられる一方で、診療報酬や調剤報酬といった医療費は増加の一途を辿っており、歯止めがかからない状況です。

この増え続ける医療費対策として、以前から検討されていた事項が始まる様です。

2018年度から国保の運営主体が市町村から都道府県に移管されることに伴い、逼迫している国保財政支援のため1,700億円を配布することが決していたが、このうち約550億円分は2019年度以降、各都道府県の医療費削減の成果に応じて分配する、という方針の様です。

今後日本の人口は減少していくとともに、人口構成も変わります。そのため、これまで、と、これから、の医療需要には変化が生じます。それを数値で具体化したのが地域医療構想における2025年の医療機能別(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)必要病床数です。ちなみに我が群馬県は、高度急性期+620床、急性期+4,906床、回復期-4,040床、慢性期+1,134床、合計+2,620床という推計値となっており、全国的な傾向ではありますが、急性期病床機能が過剰で慢性期機能が不足しており、合計では病床が過剰となる、という予測になっています。
全国都道府県の現状の病床構成をみても、非常にユニークな傾向が表れています。(西日本の病床過剰傾向等)
発表当時、大きな反響があったことを思い出します。
当然、医療費においても非常に大きな差が見られます。1人当たり医療費が2倍近い都道府県もあります。
確かに、各地域における慣習や生活習慣等には差があり、そのため各疾病の受療率(病気の発症割合)には差があるのはわかりますが、逆を返せば受療率が高い疾病も特定できる、と言うことにもなります。

話を戻しますが、上記のような各都道府県の医療費のばらつき是正のためにも、国は各都道府県の医療費削減の成果に応じてインセンティブを付与することにしました。これにより、各都道府県の疾病予防への取組が加速しますし、医療提供の在り方も、大きく変わっていくと思います。
各都道府県は地域医療構想等を作成し実行することで、自分たちの今後の医療需要とそれに対応した適切な医療提供体制構築を実現していかなくてはなりません。国から都道府県へ、今後さらなる権限の委譲が進むとともに責任も負わなければならなくなるでしょう。

現在は全国一律1点10円の診療報酬も今後は各都道府県により異なる場合がある、ことも想定しておく必要もあると思います。

医療費について 3 認知症新薬開発
2017.06.22
カテゴリ : 医業

藤井経営の藤井武です。

これまで日本の医療費総額や薬剤料に関してお話をしてきました。
今日はその中でも認知症に関して、少しトピックスを・・・。

超高齢化社会の進展に伴い、認知症患者は増加の一途を辿っています。
厚生労働省によると、認知症を有する高齢者人口の推移は、2010年時点では200万人程度ですが、すでに65歳以上人口の10%、242万人程度に達しているという意見もあるようです。さらなる高齢者人口の急増により、認知症患者数も増加し、2020年には325万人まで増加すると言われています。

では、認知症になってしまった場合、どうしたらよいのでしょうか?ただ病状が進むのを見ていることしかできないのか。当然、認知症にならないために日常生活を見直すことで予防につながったり、早期発見につながる画像診断技術も進展していますが、病気が発症した場合、頼ることになるのはやはり薬剤(新薬)になると思います。

しかし、最も開発が進んでいるとみられていたアメリカ製薬メーカーのイーライ・リリーが昨年末に開発中止を発表したそうです。
現在認知症薬と言うと、エーザイ社の「アリセプト」が有名ですが、これを含めて4つしかありません。
認知症薬の開発は、がんをもしのぐ至難の業で、病気のメカニズムを解明するのが難しい点が実用化につながらない様です。

認知症の新薬が開発され、発症を5年遅らせることができると、2050年までに世界中の患者は4割減り、医療費も年3,000億ドル(約33兆円)超を削減できるとの試算があり、世界的規模の医療費削減に対して、すさまじい効果が発揮される見通しです。
それだけに、開発に成功した製薬メーカーが獲得する利潤は、推して知るべし。
エーザイ、塩野義製薬、中外製薬、スイス・ロシュ社等著名な製薬メーカーを新薬開発のしのぎを削っています。

人類にとって超難敵な認知症に対する特効薬が開発され、健康余命が延びQOLの向上がもたらされると、それに伴い医療費負担が急増することも合わせて考えなければなりません。
給付と負担の問題、これバランスをどのようにとっていくのか、日本の医療政策と医療財政の今後の方針から、目を離せません。
来年の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、これから迎える夏を超えるといろいろな話が聞こえてくるでしょう。
これからも最新の情報を的確にとらえ、今後の医療提供体制にどのような影響が及ぼされるのか、検討していきたいと思っています。

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