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有給休暇、5日間取得が義務に?!
2017.07.26
カテゴリ : 人事・労務

上毛労務 薗田直子です。

先週お伝えした『残業代ゼロ法案』、成立に向け加速と思ったのも束の間、連合内のゴタゴタで二転三転、雲行きが怪しい状況です。国としては、秋の臨時国会で「時間外労働の上限規制」を含めた労働基準法改正を一気に通したい方向ですので、当分動向から目が離せません。

さて今回の労働基準法改正、中小企業に一番影響が大きいのは『年次有給休暇の取得の義務化』ではないでしょうか。年10日以上の年次有給休暇を保有する労働者に対し、年に5日以上取得させることを義務にする予定です。

現状、年次有給休暇の消化率は全労働者平均で5割に達していません。300人以下の中小企業の消化率は4割そこそこ。「ほぼ消化」する人が3割以上いる反面、「全く取得しない」人が1割を超える、二極化の状態となっています。実務を通じても「病欠や家の都合等で年に数日取得」という方が圧倒的に多いように感じます。本来年次有給休暇は、労働者にしっかり休養してもらい次の仕事への鋭気を養うことが目的です。あまり消化していない層に一定の年次有給休暇を強制的に消化してもらい、結果、長時間労働を抑制しようという狙いです。

「有給はとってもらいたい。でも、現場が回らないと困るよ!」

ただでさえ人材不足に悩んでいる中小企業にとって、先手を打って消化方法を検討しないと、てんでんバラバラ、業務に支障がでてくる事態になりかねません。

サッカーやバスケのパス回しと一緒で、いるべきポジションから一人が勝手に抜けると、ボールは行き先を見失ってしまいます。一人抜けても滞りなくパスを回すには、体制を整えた上で、お互いのポジションを確認し合いプレイすることが大切になります。

労働基準法の改正は、スポーツでいうとそのルール自体の変更です。ルールが変わった上で、どういった戦法をとるのか。フォーメンションやパス回しの方法(付与の方法、取得単位等)は、チームごとの作戦を練る必要があります。

2年越しの改正案、2019年4月の施行を目指しています。猶予期間は1年半、そろそろ作戦を考え始める時期でもあります。

 

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