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シンガポール・レポート④
2018.10.31

こんにちは、総務の藤井です。

いいかげん引っ張りすぎだという声も聞こえてきますが、懲りずに今回も引き続きシンガポールのレポートをお送りいたします。

 

前回、橋を渡ってマレーシアに入国したお話をしましたが、国境を繋ぐその大きな橋の横にはこれまた大きなパイプが3本走っていました。

これは水のパイプラインで、国土が狭く水資源を蓄えておくような山や原野のないシンガポールは万年水不足状態のため、大きな国土と大自然に恵まれたマレーシアから水を買っています。

3本のパイプラインのうち2本はその購入した天然水のラインだそうです。

 

シンガポールとマレーシアの水の売買に関する契約は植民地時代の1961年に交わされたそうで、50年と100年の契約があり、そのうち50年の契約は2011年に満了しています。

マレーシアにとってはこの契約は非常に安く買いたたかれたと言っても過言ではなく、全ての契約が満了する2061年にはもっと高い価格で契約したい意図があります。

そのためシンガポールでは、早い段階から水の自給自足を図るため様々な取り組みを開始しました。

その大きな2本の柱が、海水の淡水化と下水道の浄水による水資源の再利用です。

 

今回の旅行では、こうしたシンガポールの取り組みに関連する施設のひとつであるマリーナ・バラージを見学することができました。

マリーナ・バラージは、湾と海を区切るダムのような堰と、ギャラリーやレストラン、展望スペースなどで構成されており、ちょっとした観光スポットにもなっています。

ギャラリーではシンガポールの水資源政策や環境改善への取り組みなどを学ぶこともでき、世界で最も進んでいると言われる海水の淡水化の仕組みやニューウォーターと呼ばれる再生水を精製する浄化システムなども紹介されているそうです。

海水の淡水化には多くの日本の企業も参加しており、こうした技術改革でもシンガポールは自らをハブとしてアジアでの、さらには世界での地位を確保していこうという積極的な姿勢がうかがえます。

 

ちなみにコーズウェイの残る1本のパイプは、シンガポールで浄水した水をマレーシアに送るためのものだそうです。

ただ水を買うだけではなく、買った水を浄化して逆に販売元に売るというのはいかにも商売上手なシンガポールらしいやり方だなと感心しました。

 

ピンチをチャンスに変える。

シンガポール躍進のキーワードはこのあたりにあるような気がします。

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