上毛労務 薗田直子です。
相手が口にした「問題」をそのまま解決しようとしても、問題の本当の解決にならない場合がある。
連休中に読んだ本にこんな一節が載っていた
通りがかりの人が、著者に道を尋ねた。
「すみません、〇〇通りにはどうやっていったらいいのですか?」
『〇〇通りに行くには・・・』と説明を始めたが、ふと著書はおもいたった。(まさか、〇〇通りが目的地ではないだろう)
そこで『あなたの最終目的地はどちらですか?』と尋ねたところ、「××です」と答える。『そこへ行くのは〇〇通り経由より、近道がある』と著者は答えることで一件落着。
尋ねた当人は、「××に行きたい!」という明確な目的地があるにもかかわらず、「〇〇通りへの行き方」を尋ねる。目的地が遠いほど、具体的に踏み出す時点や誰かに相談する時点で肝心な「××」は隠され、見えない問題になってしまう。
あぁ、こんなこと実務でもよくある。
職場内のギクシャクで悩んでいるのに、「就業規則」について問い合わせをうける。
部門間の連携でモヤモヤしているのに、「有給休暇」について相談をうける。
悩んでいる当人が「問題」自体がはっきりと分かっていないことがある。
「問題」の周りにある要素や形のある何に関連付けて相談されることも結構ある。
相手に寄り添い、話を掘り下げ、「問題の本意」を互いに確認すること。
それが私たちの役目の第一歩になってくる。