上毛労務 薗田直子です。
気忙しいのは性分で年中無休のせいか、個人的には年末感があまりない。
とは言っても、今年最後のブログなので、振り返りもかねて綴りたいと思う。
プライベートなことだが、今年は一念発起してビジネススクールに通った。東京大学の中原淳先生が主宰する「ラーニングイノベーション論」
中原先生は、大人が組織の中でどう成長するのか、企業の優位性をつくりだすための人材開発をアカデミックに研究している第一人者だ。
有給を使い、月に2回ほど東京丸の内へ。学習理論、組織行動論、組織開発など理論的に学ぶのと同時に、「人材開発」「大人の学び」とは自らが行動やモノの見方を変えることであり、他者との語りや内省で常に「・・・で、自分はどうなの?」と問いを突き付けられ、結構苦しいものでもあった。
今までだったら「忙しいから学校は無理!」と思っていただろう。でも、仕事以外のフィールドをつくったことで余白ができた。見える景色も変ってきた。
喉がカラカラで全力疾走していたら、周りの景色は見えない。周りの景色が変わっているのに気が付かないかもしれない。こんな時代だからこそ、学ぶ時間、新しいことに取り組む時間を確保しないとシフトチェンジが難しくなる。
意図して「自分」でやらないことには、難易度の高い目の前の道を、ただただ全力で走り続けることになる。
「忙しさ」「時代」「環境」のせいではなく、自分にしっかり水やりをし、しっかり息つぎをして、自分を育てる主導権は「自分」にある。そんなことを要所要所で感じた1年だった。
中原先生に紹介され、ずっしりと心に響いた詩を、今年の締めくくりにシェアしたいと思う。
『自分の感受性くらい』 茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心を
人のせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ