結果とプロセス

藤井経営の藤井武です。

今年も既に7ヶ月経過しあと5ヶ月、早いものですね。まさに光陰矢の如し、年々この諺の意味を実感として感じているところです。
先日、中学受験専門塾の代表矢野耕平さんの記事を目にした。内容は、高校野球での勝利と中学受験での合格をそれぞれ勝ち取ることには、「結果」ではなく本番までの「プロセス」を重視する姿勢が重要だ、とあった。
ご存知のとおり高校野球は、全国で四千校以上ある高校のうち優勝校(合格)は当然1校であり、残りの高校は、いうなれば「負け(不合格)」ているのだが、その事実を「高校野球戦争」とは言わない。例え負けても、甲子園出場や甲子園優勝を目指して頑張りぬいた姿に感動すら覚える。一方、中学受験では不合格という事実が悲観的に捉えられ落胆し、ひどい場合未来への希望すら抱けないくらいの失望感を抱くことがある様である。
中学受験の場合上記のようにうろたえてしまうのは、当事者の子供ではなく、親である。親の行き過ぎた結果重視思考が、子供をまるで戦犯のようにしてしまい、1度の失敗でその後のすべてが終わってしまったかのような言動により、子供の心を傷つけてしまう。
結果にこだわりすぎると、その過程で培った様々な経験を全否定することになり、「失敗を糧に」する機会すら奪うことになる。
企業経営においても同様で、1度の失敗で「不合格」の烙印を押してしまうと、失敗を恐れ当たり障りのない業務に注力するようになる。成長拡大が不可欠な企業では、ある程度のリスクを負いながら経営をし、今までできなかったことを創造し、業務としていかなければならないことは言うまでもない。

矢野氏は、たかが中学受験と肩の力を抜いて、中学受験「の」学習をするのではなく中学受験「で」学習をするのであり、そうしたプロセス重視の姿勢をもった親の子ほどよい結果を導いている、と教示している。
実は私も小学6年生になる次女がおり、彼女は今夏期講習の真っ最中。私が描く彼女の理想像ではなく彼女が描く理想像を優先し、彼女の成長を助ける伴走者として結果ではなく過程を共に過ごすことで、父親としての役目を果たさなければならない、と考えさせられた。