狭いようで広い日本

先日、麦刈り、田植えが終わり、一段落した農業法人の役員会に出席した。

収穫した麦の品質、田植え時の問題、これからの水田管理の課題等を、慰労を兼ね話し合っていた。毎年出席はしているが、毎年違った話題があり飽きない。

今年の麦は、4~5月にかけ乾燥が続いたため、2等ということだった。この品質によって、交付金の金額が変わってくる。

水田には、水が絶対に必要である。その為、○○用水、○○堰といったような各地域に水を供給する水源があり、「水利費」という会費のようなものを支払っている。当然、水は高いところから低いところへ流れる仕組みになっている。しかし、上流で水田脇の水路から田んぼの中へ水を取り込むと、下流に流れていく水はその分減ることになる。銘々が、自分の田んぼのことばかりを考え水を使っていると、下流ではいつまでたっても田植えができない、ということも起こりうるらしい。また、田んぼ脇の水路も、実際には勾配があまく流れが悪いところもあるらしい。新しく農地を借りても、そのような田んぼの問題もあり、なかなか思ったようにはいかないようだ。

AIやロボットなどが農業の中にも参入してくる時代ではあるものの、実際、運用していく時には、それぞれ使用者の工夫し運用しなければ、上手くは動かないだろうし、次への進歩もないだろう。スマホを使った水の管理、ドローンでの消毒など、もうすぐにでも実用化できるものもあるが、ドローンによる消毒は、近隣住民の反対でできないなどの問題もある。

日本全国、一律とはいかないだろう。

吉田 典佳