先入観を体感する

上毛労務 薗田直子です。

休日に森美術館で開催されている「レアンドロ・エルリッヒ展」にいった。
金沢21世紀美術館の『スイミングプール』を手掛けた、アルゼンチン出身の現代アート作家だ。

視覚的な錯覚や、日常の中で知らず知らずのうちに染み付いた先入観や固定概念を利用して、思い込みをくつがえしていく作品を手掛けている。

表面上の水面を見ると、「プールには水が満タンに入っている」という先入観が生じる。
水の中に服を着た人をみると「アレ?」と不思議な感覚になる。


(今回の展示にはこの作品は無いが・・・)

鑑賞するというより、体感する展示だ。
「こうだろう」と思っている空間にモノがあったり、無かったりするので、自分がどこにどう立っているのかわからなくなる不安。
作品を見てから、キャプション(解説文)を読むと『あ!そういうことだったのね!』と自分の先入観を思い知らされること度々。

現実の世界も同じかもしれない。
キャプションが無いから自分の先入観に気付かないだけで、自分の「〇〇のはず」に惑わされ、本質を見失っていなってないか?
現実社会で先入観や思込みに気づくときは、痛みを伴うケースが多いのかもしれない。
ここではニヤリと笑い体感できる。

子供から大人まで純粋に楽しめ、眩めきながら普段味わえない感覚を味わえる。
4月までの会期なので機会があれば、是非!