クックパッドの功罪

上毛労務 薗田直子です。

先日伺ったお店のお吸物が絶品で、「美味し~い!」と思わず口にした。
お店の料理人さんが「お水にもこだわっているからね」と、昆布とお水の関係を教えてくれた。

昆布の旨味は軟水の方が出やすいので、出汁には軟水のミネラルウォーターを使っているという。逆に、硬水はミネラル成分が邪魔をして昆布の旨味成分が出にくいそうだ。関西をはじめ日本は軟水の土地が圧倒的に多いが、関東ローム層のある関東地方は硬水の土壌だという。関東のお水は昆布の旨味成分がでにくいので、魚で出汁を取り、魚の強い風味を和らげるために濃口醤油を使うようになった・・・

お恥ずかしながら、初めて知りましたよ。
料理ってその土地の風土や文化に深く根付いているものだ。
友人と興味津々にお話しを伺っていたところ、料理人さんが口にした『クックパッドの功罪』

日本最大の料理レシピサイト『クックパット』、材料や料理名でサッと検索でき、そのレシピは簡単で手軽にできるものが多い。
『クックパットの功罪』は、「なんでそうするのか、その理由を一切省略した」ことだという。
調味料を入れる順番、水を入れるタイミング、火力・・・一つ一つに素材の旨味を引き出す意味がある。それを全部省き、ハウトゥーのステップでレシピを示したのがクックパッド。一見同じ料理だが、野菜やお肉の状態、水質、気候など些細な条件の違いは、本質を分かっているかどうかで、まるで変ってくるという。

・・・なるほど。これって私たちの仕事にも大いに通じる。
例えば就業規則。ひな型に穴埋めするのでも一つの「就業規則」、お手軽にそれっぽく出来上がるのかもしれない。でも法律上の意味合いや、現状の会社の状態、将来へ向け経営者の意図するところをとらえた上でつくった「就業規則」はまるで異なる。「なんでそう定めたのか」イチイチ理由がある。何が違うって、不測の状況が起きても揺るがず柔軟に対応できるようなっている。

本格料亭ではないけれど、本質に拘った仕事でありたい。