おばあちゃん大国に向かって

上毛労務 薗田直子です。
ネットニュースで『平均寿命90歳、日本がおばあちゃん大国に!』という見出しが躍っていた。今から20年後2040年頃には女性の平均寿命は90歳を超えるという。2000年頃のデータでは2060年頃に平均寿命90歳超えを予測していたようだから、長寿化のスピードも速まっているということだ。

少し前に高齢者の定義を「65歳」から「75歳」に引き上げたらどうか、という提言が話題になった。確かにこの層の方々を高齢者と呼ぶのも失礼な気もする。今でいうと団塊の世代がここにあたる。ウチの母もこの層だが、俳句、英会話、体操、読み聞かせ会、女子会?と隠居生活とは程遠く、ありがたいことにアクティブな日々を過ごしている。
この層に孫の面倒から養育費まで助けてもらっている若い家庭も多いだろう。
体力も、時間も、経済的にもちょっと余力がある・・・はた目にも「元気な世代」というイメージだ。

実際、一人あたりの所得水準は、世帯主30歳代と70歳代がほぼ同水準だという。右肩上がりの経済とともに歩み金融資産を貯え、我が国の所得再分配機能の恩恵を手厚く受けている世代でもある。高齢者の定義を引き上げよう!の裏側には、医療や年金制度など高齢者の社会保障給付の引き上げも見え隠れしたりする。

20年後、ずいぶん様相も変っているだろう。経済成長も人口構造も異なる背景で、「高齢者」はどんな立ち位置でいるのだろう。益々長くなる「高齢者」期間に備えなければならないのは、国も個人も同等だ。