挑戦者の言葉

上毛労務 薗田直子です。

絶対王者の内村航平が途中棄権で7連覇を逃し、衝撃とともに報じられた世界体操。
内村を追随する日本体操界の次期エース、白井健三のインタビューを大会直前にTVで目にした。

白井は、内村も絶賛する高難度の「ひねり」を武器とし、「ひねり王子」ともいわれる選手だ。昨年のリオオリンピックで得意の『床競技』で優勝を期待されながら、難易度の高い技を連続で失敗し、予想外の4位に終わったのは記憶に新しい。

インタビューの中で、その時の話に触れ、
『成功することも大事だけど、失敗できる価値も結構大きい』
『大舞台で失敗すればするほど同じことは二度とやらない。だから失敗することも次に繋がる』と語っていた。
事実、オリンピックの時に失敗した連続技は、今シーズンはノーミスで『大舞台での失敗は自分を変えてくれる』ということだ。
ただ単に失敗したことが次の成功につながっている訳ではない。インタビューでは語られなかったが、どこでどうやったことが失敗につながり、どうすれば失敗しないのか、とことん自分自身で振り返り、頭で理解するだけではなく身体で再現できるまで練習を繰り返した結果に違いない。

『失敗しても自分の代わりには誰もなれない。自分にしかできないことだから』
(このあたり、うろ覚えですが・・・)ということも語っていた。
白井は王者内村を目指しているだけではない。過去の自分自身を踏み台にさらなる自身との戦いに挑んでこその言葉だろう。

挑戦者白井、戦いの先にある、伸びやかでゆるぎない言葉に惹きつけられた。