よい「運」と出会う

上毛労務 薗田直子です。

夏の高校野球、毎年大会佳境のベスト8くらいからにわかファンと化して結果を楽しみにしている。週末、たまたま見ていた仙台育英vs優勝候補の大阪桐蔭戦、一点差で迎えた9回裏仙台育英攻撃の劇的な展開に居ても立っても居られず、部屋を出たり入ったりして行方を見守った。逆転劇のきっかけは、二死の遊ゴロからのヘッドスライディングがセーフとなった若山選手のプレイ。チームメイトからも「運をもっている」といわれている若山選手が、試合終了後のインタビューで『普段からゴミが落ちていても「運」といって拾う』というエピソードを話していた。

この話を聞いて思い出したのが『計画された偶発性理論』
「運は偶然だけではなく、計画的につくりだしていく」という考えだ。

キャリア形成で提唱されている考えで「個人のキャリアの8割が予期しない偶発的なことに影響されている」からこそ、「その偶然を計画的に設計して、自分のキャリアを良いものにしていこう」というもの。受け身で「偶然」を待つのではなく、好ましい偶然を作り出すよう自ら「行動」しチャンスに変えていこうよ、ということだ。

好ましい偶然と出会えるための重要な5つの要素がある。
1.好奇心:好奇心を持ち、広げる、探し続ける
2.持続性:失敗してもすぐには諦めず、粘り強く続ける
3.楽観性:前向きに考える
4.リスクテイキング:今ある何かを失う可能性より、新しく得られる何かにかけてみる
5.柔軟性:変化に伴い、考えや行動をフレキシブルに変える
こういうことを心に留めながら日々行動することが、前向きに逞しく生きることに繋がり、ひいてはよりよい偶然と巡り合う機会を増やすのだろう。

9回裏二死という絶対絶命の中、バットにボールが当たった瞬間、若山選手は「ヤバイ、真正面だ」と思ったが無我夢中で一塁へ走りヘッドスライディングをした。無理だ、と思う余地もなく自分を信じ反射的に行動したのだと思う。そこには常日頃から前向きに、失敗をおそれず、自分の枠を作らず行動をし続ける行動があって「幸運」に巡り合えたのだ。

もちろん、好ましい偶然に巡りあえたとき、チャンスにかえる「力」を備えていることが大前提だ。大事な試合や試験だけではなく、日々の些細な出来事もその人本来の「力」を最大限に活かすのは、「運」と出会いやすくする行動やスタンスに影響されるのだと思う。

高校野球は本日決勝戦。誰が勝利の女神を味方につけるのだろう。