医師の「働き方改革」について

藤井経営の藤井武です。

関東も梅雨明けし、いよいよ蒸し暑い夏真っ盛り・・・の今日この頃のはずが、本日は曇り模様。正直ほっとしている。
小中学生の頃は一番好きな季節は夏でしたが、年々過ごしにくさを感じて今では最も嫌いな季節となった。

平成29年3月28日に決定した働き方改革実行計画において、時間外労働の上限を原則45時間、労使合意した場合は特例で60時間、特に忙しい繁忙期は月100時間未満とすることが決まり、2019年度からの施行を目指している。
しかし、人手不足が深刻な建設業・運送業、そして医師の3業種については、施行5年後をめどに規制の対象とするとされ、具体的な規制の内容は2019年3月末までに結論を得る、としている。

医師に関しては5年間の間は現状と同じ状況であるが、はたして約7年の間に残業規制に対して結論がまとまるのだろうか?

私の病院の関与先様では、医師確保に余裕があるところは皆無で、経営者の先生はみな常勤・非常勤問わず医師確保に相当な苦労をされている。処遇を含めた雇用条件も上昇の一途で、人件費負担増には歯止めがかからない。診療報酬の収入と人件費でバランスが取れればよいが、中には逆ザヤになっている場合も見受けられる。
医師という業務の特殊性を踏まえると、そもそも医師になることができるのも医学部を卒業し医師国家試験に合格しなければならない。医学部定員の問題もあり、それほど簡単に医師の数を増やすことは不可能である。
医師が働き方実行計画の対象外となったのは、「特殊性」のためだが、その特殊性とは「医師の応召義務」、「長期育成期間」、「質の維持のための自己研鑽(学会・研修の必要性)」により、医師は規制の対象外となったようである。
そもそも特殊な国家資格者である医師は労働者なのか、という意見もあり、勤務形態・雇用形態が様々であることも、議論がまとまらない大きな要因であろう。
しかし、働き方計画の実行には期限が決まっており、時間は待ってくれない。

今後の推移に注目したい。