ヤフーの1on1

上毛労務 薗田直子です。

先日ヤフーの人事部で話を聞く機会に恵まれました。
ヤフーでは『社員一人ひとりの才能と情熱を解き放つ』をコンセプトに様々な人事の取り組みをしています。その中核に位置付けられるのが「1on1」ミーティングです。

以前のブログでも少し触れましたが、1on1は週1回30分間、上司が部下一人ひとりと「定期的」に時間をとり、部下の対話を「業務として」行う制度です。
一週間を振り返り、上司は部下の話に耳を傾けます。
「実際にやってみて気づいたことはある?」
「次にやるときはどうやってみる?」
頭の中のモヤモヤを、言葉にして話すことで考えがクリアになる経験ありませんか?部下が仕事を振り返り、乗り越える壁を考え「自分のモノ」にしていく場であって、上司から積極的な指示やアドバイスはあまり行われないようです。

1on1は部下のこの先のキャリアを探る場でもあります。夢中になれる仕事、やりがいを感じる瞬間はどんなことか。その実現に何が必要なのか、仕事について考えるきっかけを問いかけます。

そして1on1での内容は、他で共有されることはありません。上を含め第三者へ報告はせず「部下が安心して話せる環境」を作り出しています。上司は部下のことを「社内で一番理解する人」でもあります。
その場が単に部下を気持ちよい状態で終わらせることのないよう、1on1の裏側には上司へのトレーニングや様々な「仕掛け」が仕込まれています。いくつかの仕掛けを経て1on1の役割や質も上がったといいます。

日々仕事は変化し難しくなり、周りに聞きたくてもみんな忙しそう・・・社内には孤軍奮闘で走り続けていた社員が沢山いたそうです。あえて「業務として」「定期的に」上司部下で対話し、課題解決のスピードもコミュニケーションの質もぐっと上がったそうです。
月1回15分でも定期的に行うことで見えてくるものもありそうです。

こちらが一方的に話しちゃうなー、価値観押し付けちゃうなーと自戒の念も込めつつも・・・人事制度の運用や考課者研修に、このエッセンスや仕掛を取り入れたら面白いな、と企んでます。

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永遠に完成することなく常にアップデートされるIT業界を表した「未完成風の床」