おはようございます。上毛労務の今泉です。
IT技術の進展により、実際にその場に行かなくても仮想現実の映像で体験できることが多くなりました。その中で行われているのが、認知症の疑似体験。
認知症の人に偏見を持たず、自然に接したい。そのために当事者の周囲や世界がどのように見えて、どんな行動をとるのか理解を深めてもらうための体験会が行われています。
参加者は専用ゴーグルとヘッドホンをつけ、「距離感がつかめなくなる視空間失認」「置かれた状況が分からなくなる見当識障害」「幻視」の3つを体験。車から降りようとしているのに目の前にはビルの屋上の端に立っている映像が広がる中で介護職員に降車を促されたり、電車内の映像ではなぜ電車に乗っていてどこに向かっているか目的が分からなくなり慌てるなど、認知症の人の実体験を踏まえた再現映像となっています。
体験会の主催者も参加者も、認知症の人が話していることを否定せず、実際に見えていなくてもどういうふうに見えるのなど寄り添うことが大事と話していました。
日本は人口減少が進む中、大きな問題となっているのが高齢者の増加とそれに伴う認知症の急増です。65歳以上の認知症の人数は、2012年の462万人から、2025年には730万人まで増加するとの予想もされています。
認知症は現在の治療では治癒できないと言われていますが、こうしたIT技術を利用しつつ、人だから寄り添うことでお互いを理解し、改善につなげられることも多いかもしれませんね。