さらばPDCA

藤井経営の藤井武です。

今日は春の嵐。群馬県は昼頃から気温が上昇するとともに、風が強くなるようです。今年の冬は寒かった。いよいよ春を感じられる時期になりそうですね。

一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏のコラムで、アメリカ海兵隊では、「OODAループ」という意思決定プロセスを新兵のブートキャンプで徹底的に教え込むそうだ。OODAループ?初めてきくワードに興味が沸いた。

OODAループとはObservation(観察)、Orientation(情勢判断)、Decision(意思決定)、Action(行動)の頭文字で、暗黙知と形式知を相互交換しながら部分から全体へと統合し、概念化していく(暗黙的知り方、という)こととある。こうした意思決定プロセスを身に付けると、客観的な数値データによるような分析的思考よりも、はるかに俊敏に創造的なアイディアや効果のある“答え”を生み出せるという。
PDCAの意思決定プロセスと対比した時、OODAの優位性は、Plan(計画)の前段階にObservation(観察)とOrientation(情勢判断)があり、計画を生み出すためのプロセス(観察・情勢判断)が入っていることだ。
写真フィルム事業への偏りから事業多角化に成功した富士フィルムホールディングスは、PDCAサイクルを見直し、SeeーThink(観察・判断)-Plan-Doに改良し、意思決定の前に情勢判断プロセスを入れることで大成功を収めたという。

素早く正確な対処が求められる場合、形式的な考え方や物の見方とらわれすぎると、状況に合わせた最適解を見出すことができない。生死をかけた戦場にいきるアメリカ海兵隊員にとっては、ごく自然な必要性に基づき身に付けざるをえない意思決定プロセスなのだろう。
変化の激しいビジネスの世界でも非常に重要な知的機動力を高める技術として、もう少し深く知りたいと思っている。